6/7 MON

「ひろば」でつながる物語 。
日本編

SHALL WE ドコノコ?〔第4回〕

ドコノコ5周年企画
[SHALL WE ドコノコ?]
〜ドコノコのたのしみ方〜

犬猫SNSアプリ「ドコノコ」は2021年6月5日に、
5周年を迎えます。
この5年のあいだに、アプリは30万ダウンロードになり、
たくさんの方にたのしんでいただいています。

遠く離れていても、ドコノコの中で友だちができて、
なでなでがわりの「♡」をしたり、コメントしたり。
健康面やごはんの相談をしたりされたり、
いっしょにお出かけするような仲になったり。
迷子捜しのお手伝いをしたり。
ご近所友だちになったり。
日々、うちのコの記録をつけるのに
役立ったりもしています。

「ドコノコ」ってこんなアプリですよ。
ということを、
ちょっとあらたまってお伝えする連載です。
6月5日から1週間ほど、毎日更新していきますので、
ドコノコをたのしんでいる方も、
まだはじめたばかりの方も、あんまりやっていない方も、
よければお付き合いください。

こんにちは、ドコノコ・チームのタナカです。
「ドコノコ」がどんなアプリなのか、
あらためてご紹介していくこの連載。

今回は、「ドコノコ」ってそんなに広がるのか!
と、運営チームもおどろかされる、
ユーザーさんへのインタビューです。

ジャックラッセル・はなの飼い主、
たにちゃんとやすよん夫妻とは、
ドコノコを通じての知り合いです。
とはいっても、
はなのようすは毎日ドコノコで知っているけど、
お二人のことはほとんど何も知りません。
今回は、ドコノコをはじめたきっかけや、
お友だちが増えていった経緯をうかがいました。
はながお二人を新しい世界にはこんでくれます。

ドコノコをはじめたのは、はなが激しく吠えたから。

──:
はな、こんにちはー、はなー。
カメラ目線というより、おやつ目線ですね。

6月5日にドコノコは5周年を迎えます。
そこで、今回ドコノコの「ひろば」で、
たくさんお友だちを増やしておられる、
東京のたにちゃんとやすよんにお話をお聴きしたくて。

そもそもドコノコをはじめたきっかけは
なんだったんでしょう?


はな/たにちゃん

たにちゃん:
6年前に、ジャック(犬種名)の「はな」を
飼いはじめたんですね。
やすよんの実家にミックスの犬がいたんですけど、
そのコが亡くなって。


はな(お母さん版)/やすよん

やすよん:
そう、はなを迎えたんですけど、
ものすごい大変なコで、もう大暴れで。
それで、ジャック・ラッセル・テリアのことを
後からネットで調べたんです。

たにちゃん:
気性が強い犬種だということは知らずに迎えたので。
これからどうやって飼っていこうと悩みまして。

やすよん:
ジャックのことを調べていくうちに、
たどりついたのが、
糸井さんの写真日記「気まぐれカメら」
ブイヨンの記事だったんですね。
それで、大変さだけでない
ジャックの楽しさみたいなのを知れたと思う。
日にちもさかのぼりながら、見ていたら
ほぼ日で犬猫のSNSアプリ
「ドコノコ」をはじめるってことを知って。

たにちゃん:
それでドコノコがリリースされたらすぐに2人ではじめて。
それからずーとドハマリですよね。
はなの写真を撮っては、のせて。

やすよん:
はなは、人とは大丈夫なんですけど、
他の犬とはケンカばっかりしちゃうし、
馴染めず、ともかくハチャメチャで。
でも、糸井さんの「気まぐれカメら」で
ブイヨンのことを知って、ほっとしたというか、
親近感を感じたというか。
大変さも含めて、たのしくなったんですね。
ただ今になって考えると、
そのときのことって別に悩みじゃないです。

──:
自分の犬のことしか知らないと、
どうしちゃたんだろうって悩んじゃいますものね。
「うちの犬には問題があるかも」とか。

たにちゃん:
今は、はなが怖がっていたり、
ヤキモチ焼いたりしてるのもわかってきましたし。
散歩中に、他のコをなでたりすると怒るんですよ。

やすよん:
はなは、オフ会むきじゃないんだよね(笑)

たにちゃん:
連れて行っちゃうけどね(笑)

──:
ドコノコをはじめたころは
どんなふうに楽しんでいましたか?

たにちゃん:
「ひろば」ですね。

「ひろば」で、どんなコがいるのかなって。
他のジャックはどうなんだろうって、
気になるじゃないですか。
ぼくはどっちかっていうと
ジャックばっかり追いかけていて、
フォローしているのも99% ジャックです。

やすよん:
わたしは違って、すごい遠くにいるコを。
日本だったら北海道や沖縄とか。
遠くの人と出会う機会ってあんまりないじゃないし。
だからわりと遠くのコとつきあいたくって
フォローしてました。
犬種はなんでもいいんです。

たにちゃん:
ドコノコで同じ犬舎出身のきょうだいが
見つかったりしてますよね。
はなもどっかにきょうだいがいるのかなー
っていうのもあって、
ぼくは「ひろば」でジャックがいると必ず見て、
誕生日を確認します。

やすよん:
それぞれのたのしみ方をしてますね。

キャンピングカーは巡るよ。

──:
おふたりは、はなとキャンピングカーに乗って、
ドコノコの友だちに
会いに行ってましたよね。

たにちゃん:
以前お台場のペット用品ショーで
犬が乗ってもいいキャンピングカーのレンタルを見かけて。
これを使って旅行してみたいなと思ってました。
その後、ほぼ日の「生活のたのしみ展 梅田」
(2018年9月)のバイト募集を見て、
やすよんが行きたいと。
(編集部註:
やすよんさんは、「生活のたのしみ展」アルバイトに
毎回参加してくださっています)

じゃあキャンピングカーを借りて、
ぐるっとドコノコのお友だちのところをまわりながら
梅田に行ってバイトしようと。
2人で8日間休みをとって、
東京から長野、新潟に出て、
それから日本海側をまわって神戸に寄って大阪へ。

──:
ドコノコの友だちには会えたんですか?

たにちゃん:
会えました。
はなの投稿で、「今度ここに行くよ」ってお声がけをして。

長野でzipくんと藤崎ジャックくんに会って、
みんなでごはん食べて。
富山の氷見でこはるちゃんとメイちゃんに会って、
神戸でりんたろうくんにお会いしてから大阪入りしました。

やすよんがバイトで梅田の阪急にいるあいだ、
ぼくとはなは暇なので、近くの駐車場に車を停めて、
「はな来てますよ。キャンピングカーで来てますよ」
とドコノコに投稿して。
すると、たのしみ展に買い物に来られたドコノコの方たちが、
駐車場まではなに会いに来てくださるんですね。
会って一緒に写真撮って。
というのを、やすよんがバイトしてる
3日間やってました。

やすよん:
忙しかったね。ドコノコ旅です。
初めて会うけどすでに共通の話題があるので、
会うとまず犬ですよね。
「わー、なんとかちゃーん、会えたねー(わしゃわしゃ)」。

──:
やっぱりそうなんですねー。

たにちゃん:
やっぱり、そうなんですよ。
他のSNSと違って
ドコノコは人の顔が出ないじゃないですか。
だから顔も知らないほんとの初対面なのに、
普段から犬の話をずっとしてる間柄なので、
はじめて会った気がしなくて。
「はなちゃん、現物は大きいのね」ってけっこう言われて。
おもしろかったですね、ほんとに。

あのね、ぼくら、宝くじが当たったら
「ドコノコ・キャンピングカー」を企画しますから。
まっきいろに塗って、
「ドコノコのロゴを使わせてください」
ってお願いに行きますよ。

やすよん:
そしたら自然に寄ってきますよ。ドコノコを知ってる人が。

──:
おおー、バンドのツアートラックみたい。

たにちゃん:
梅田のほかにも、
キャンピングカーで気仙沼に2回行ってます。

やすよん:
福島に友だちができたんで、それも「ドコ友」なんですけど。

──:
はなを通じて、遠くにもたくさん友だちができたんですね。

みかん畑を継ぐモチベーションのために。

──:
みかん畑のお話も聴かせてください。
お二人は今、平日は東京でそれぞれ仕事をされて、
シーズンになると週末は神奈川県湯河原にある、
やすよんのご実家のみかん農園で働いておられます。
収穫のときには、ドコノコの友だちがお手伝いに
集まられるんですよね。

やすよん:
はい。
もともとわたしは、みかん農園がいやでしかたがなかったんです。
TOBICHIで行われた「糸井重里の気まぐれ質問箱」
(2019年2月)に当たったんです。

たにちゃん:
ぼくは落選した。

やすよん:
そのときに、糸井さんにみかん農園のことを相談させて
いただいて。
湯河原のみかん畑を続けたいんだけど、どうしましょって。
これがそのときの写真です。

どうしましょと言うのはモチベーションがなかったんですね。
自分の中に実家のみかん畑を続けていくための。
苦労とか大変とか、ぜんぜん儲からないとか、
そういうネガティブな感じだったんですけど、
それでもやめられない事情もあって。
それで、続けていくのだけど、
その気持ちがさめないような、
おまじないのようなことが聞きたくて。

──:
えー、そういう質問だったんですか。
みかん畑を継ぐか継がないかではなく、
継ぐことは決めているけど、
そのモチベーションをどうやってつくっていくかという。

やすよん:
そういう質問をしたんです。
さめちゃうことがこわいんですけどって。
糸井さんに、「続けたいことって何?」と聞かれたので、
「みかん畑です」って答えたら、
「だったら、人を呼んだらいいんじゃな~い」みたいな。

それを聞いて、ああそれはもうやろうと思いました。

たにちゃん:
そのとき糸井さんに、
「呼ぶのはドコノコの人が
ちょうどいいんじゃない」って言われて。

やすよん:
ツイッターとかよりも、やっぱりドコノコじゃないかって。
そんなこともあって、
ロゴもイラストレーターのやまねりょうこさんに依頼して
作ってもらいました。

──:
hanachi。
おー、かわいい。みかんの木とはなですね。

やすよん:
わたしは、昔からみかん畑が大っきらいだったんです。
もう受け入れられなくって。
でも何世代もずーと背負ってきたものだったし。
だからドコノコをはじめたときには、
みかん畑のことは投稿しなかったですね。
だけどドコノコをはじめて2年くらいしてから、
みかん畑にいるはなのことも投稿しはじめた。
そうしたら、みかん畑の投稿に
応援のコメントがいただけるようになったんですよ。
興味を示してくださる方がすごいいたんですね。
今は、みかん畑が好きになった。

──:
それはなぜですか?

やすよん:
みかん畑が、みかん農業というものが、
こんなにも恥ずかしくないものなんだ
っていうことがわかった。
こんなにもみなさんが明るくとらえてくださることなんだ。

──:
え、それはそうですよ。
みかん畑を恥ずかしいと、とらえる人はいないんじゃないですか。

やすよん:
みなさんはそうかも知れないけど、
自分がずっといやなものだったのが、今は逆ですね。
それはドコノコのおかげで、みなさん応援のコメントとか、
あとたのしく支えてくださるおかげで、
これからもやっていきたいなっていうふうに思えた。

ほぼ日さんとお付き合いしたり、ドコノコをやったり、
糸井さんの言葉を聴いたり、いろんなエッセンスで
生活スタイルが変わりました。
ドコノコはすごいいいSNSですね。

──:
みかん畑を続けるモチベーションを維持したいなら、
人を呼びなさいって。

やすよん:
名プロデューサーですよね。

たにちゃん:
タナカさんをはじめ、ほぼ日の方にも
毎年たくさん収穫のお手伝いに来ていただいて。

──:
いや、収穫作業はたのしいですよ。
でもそれまでが大変じゃないですか。
なのに、一番たのしいところだけをさせてもらって、
ほんと申し訳ないです。

やすよん:
収穫は一気にやらないといけないので、
一番手かずがいる作業なんですよ。なので、ほんと助かります。

──:
ドコノコのユーザーさんにも収穫のお手伝いを
してもらっているじゃないですか。
あれは、どうやって呼びかけているんですか?

たにちゃん:
はなの投稿に、みかん畑までの地図を入れて
収穫お手伝いのお願いをしました。

──:
呼ぶんだったらドコノコがいい
っていうのは、ほんとうにそうですね。
犬目的だから。
はなに会いに来てもらって、
ついでにみかんの収穫も手伝ってもらう。

やまねりょうこさんにロゴを依頼したのは、
なにかブランドとして立ち上げるん予定なんですか?

やすよん:
いや、ブランドにしたいとかではなく。
みかん畑を続けていくことを
わくわくした感じにしたかったんですね。
みかん畑を続けていくための
お守りみたいなものが欲しかった。

──:
あー、そういう目的だったんだ。

やすよん:
そうです。
わたしの母親が最後にみかん畑を続けてきてよかったな
って思えることを一番の目的としているので。
だからわたしが続けなきゃっていうのもあって。
それで続けるには今までみたいな気持ちではなく、
前向きにたのしくやりたいなと。
もちろん、この先カフェなんかができたらいいな
とかはありますよ。
でもロゴを依頼した動機の軸にあるものは、
みかん畑を続けていくために
そのシンボルになるものが欲しかったんです。

たにちゃん:
だから、気持ちですね。

こうやって、みかん畑をやってたおかげで、
ドコノコの方や、ほぼ日の方が来てくださって、
みかん畑ってこんなに人がよろこんでくれて、
集まってくれる場所になるんだ
っていうのがわかって。
それをずって守ってくれたお義母さんに対して、
やっぱり最後にみかん畑続けてよかったな
と思ってもらえるようにしたいっていうのが、今だよね。

やすよん:
どう考えてもみかんでは食っていけません‥‥。
あれだけのみかん山をやっていくには
赤字しかないです。
でも辛かったことって、結局やめられないんですよ。

でね、今年40本苗植えました。続ける前提で。

たにちゃん:
自分たちが東京でのシゴトをほんとにリタイヤして、
湯河原に引っ込んだときに、
やっとこさ一人前の木になって実がつくぐらいにするためには、
今から植えとかないとね。

──:
たにちゃんは、
みかん畑を継ぐことに反対はなかったんですか?

たにちゃん:
うーん、やっぱりね、
やすよんが母親に反発しているのがわかるので。
お義母さんの立場もわかるし、
やすよんの言ってることもわかる。

ぼくは富山の田舎の人間なんで、
裏の畑でばーちゃんが畑したり、
栗とりに行ったりしてたので、
みかん畑をすること自体はあんまり抵抗はなかったな。
そういうことで2人がうまくやっていくなら、
それはそれでいいんじゃないかなと思って、
応援してます。

やすよん:
湯河原への交通費は、たにちゃんが出してくれるしね。

──:
いいチームですね、はなも含めて。

たにちゃん:
ねぇ。

ドコノコのこと。

やすよん:
ドコノコには他のSNSにはないたのしさがありますね。

最近すごく思うのが、
犬を亡くすことってすごく辛いことなんですけど、
最後をみんなで一緒にむかえるときが、
わりとこう、ただ泣くだけじゃなくなってきているんですよね。

──:
どうなりました?

やすよん:
なんかこう、他のSNSだと、
こんなにコメントってないと思うんですよね。
犬を亡くすときに、頑張ったねとか、
お空組のぼくがお迎えにいくよとか、
大丈夫だよ上がっておいでよとか、
あえて声をかけるというか。
その感じがすごく、さよならのときもあたたかい。
さよならしたお空組も、もう見れないやじゃなくて、
続けれられる方もいるなーとか。
続けられないのが通常だとは思うんですけど。

──:
ふつう、ドコノコ以外のSNSで
亡くなったときの写真を投稿するってないですよね。

たにちゃん:
そうですよね。
これって多分お見送りをみんなでする
っていうことだと思うんです。
ご遺体なんですけど、みんなで見送ってくださいっていう。
その犬や猫をずっと見てきたフォロワーの人たちは
頑張ったね、おつかれさまって。
先に亡くした人は、うちのコがいるから遊んであげてね
とかつながっているし。
そこはやっぱり他のSNSにはないですよね。

やすよん:
あたたかいですよね、応対がすごく。

でね、
うちもそうですけど、ドコノコが入口になって
ほぼ日全体のファンになってる人、すごく多いんですよ。
ほぼ日も応援したいし、
ドコノコも5周年をむかえ、今後ますますの発展を。

──:
今日はありがとうございました。
もし最初に、はなが激しく吠えなかったら。

たにちゃん:
そう、はなが手のかからない「いいコ」だったら、
こんなことにはならなかったかも知れない。

──:
たにちゃんとやすよんがドコノコをはじめて、
キャンピングカーでお友だちに会う旅をしたり、
みかん畑を継ぐ意思を固めたり、
お友だちを見送ったり、
ぼくたちがこうやってお話することも
なかったんだろうなと思うと。
はな、ありがとうね。