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いぬねこ取り分け
手づくりごはん

手づくりごはん〔第2回〕

こんにちは、ドコノコ・チームのタナカです。

「いぬねこ取り分け手づくりごはん」への
質問やご感想をお寄せいただき
ありがとうございます。

お寄せいただいた質問を
「スプーン1杯からはじめる 犬の手づくり健康食」
「スプーン1杯からはじめる 猫の手づくり健康食」
著者の浴本涼子獣医師にお尋ねしてみます。
今日は猫料理担当として、
本書を編集した山と溪谷社の宇川さんにも
ご同席いただいております。

(タナカ)
浴本先生はじめまして。
うしろにゴン太が見えますね。
先生とははじめてですが、
ゴン太はドコノコでフォローしあっているので
友だちです。
今日はよろしくお願いします。

手づくりはフードの栄養バランスを崩しませんか?


(ドコノコ編集部へのお便り)
ドライフードに鶏むね肉、米、出汁などを加えています。
ドライフードだけの日、手作りごはんだけの日、
などと分けたほうがよいでしょうか?
犬種は四国犬、メスです。


(浴本先生)
手づくりを加えることで、
ドライフードの栄養バランスが崩れることを
心配されてのご質問だと思います。

ただ私たちが毎日毎日栄養バランスのことを
考えて食事を食べているかと言うとそうでもなく、
1日なり数日なりのスパンの中で、
肉が続いたから今日は野菜を多めに摂ろうかな、
とかそういう加減をしています。

それと同様に、
犬のほうもフードと手づくりを分けるかどうかを
あまり気にされなくても、
体重や便の状態を観察しながら、
体調に合わせて調整すればよいのではと思います。

ドライフードに不足しがちな水分や天然のビタミン
などを生の食材から摂れるように
トッピングなどで足してあげるのは、
よいことだと思います。

何でもいいから食べてほしい。

(タナカ)
浴本先生が手づくりごはんに関心を持たれたキッカケは
なんだったんでしょうか?

(浴本先生)
キッカケは自分のうちの猫だったんです。

獣医師として、
この症状の時にはこれを食べさせてくださいと
飼い主さんに伝えていましたけど、
いざ自分のとこの猫が病気になるとそれを食べない。
何でもいいから食べて欲しい。
その時は手づくりというのは思いつかなかったので、
市販のものでなんとかやっていたんですけど、
だったら病気の時でもおいしく食べられるように
自分で作れたりしたらいいのになって思ったのが
キッカケではあります。

(タナカ)
病院で飼い主さんから手づくりの相談ってありますか?

(浴本先生)
ありますよ。
肝臓の数値が悪くなってとか腫瘍ができたので
手づくりごはんをやってみたいという相談を受けます。

(タナカ)
病院で「手づくり楽しそうだからやってみたい」と
相談されることはないのですか?

(浴本先生)
それはないですね。
健康なときに病院でなにかを相談しようとは
普通思われないですから。

ただみなさんに聞いみると、
手づくりごはんまでじゃないですけど、
お誕生日にフードにお肉やお刺身をのせたりは
してますよね。
健康のためというより、
そういうのは楽しいからやるのですね。

食のスイッチが入る?

(宇川)
先生の本をつくるとき、
撮影のためライターのたむらさんが料理して
自分のとこの仔犬にあげてみたんです。
もともと食に興味が薄いコだったんですけど、
フードにサラダのトッピングをしたら、
そこからスイッチが入って何でも食べるように
なったんです。フードだけでも食べる。
それで、たむらさん楽しくなっちゃて。
ごはんをもりもり食べてくれるのは、
見ていて気持ちいいですよね。

撮影用に作った料理は私も一緒に
いただいたのですがおいしかった。
それまで、うちの猫にも手づくり作ってましたけど、
それを自分で食べようとは思わなかったのに。

(タナカ)
ドコノコ編集部へもお便りが届いています。


ドコノコチーム タナカさま、

さっそく、「猫の手づくり健康食」を購入して
作ってみました。
今夜は鮭のソテーをほぐしてブロッコリー、人参、
コーン、グリンピースを混ぜたごはんでした。
するとごはんを完食後、大コーフンで走り回ったあげく、
私のベッドの上で感謝を示すかのようにくつろいで
寝てしまいました。
相当嬉しかったみたいです。
さて、明日は一緒に何たべようか?
またひとつ楽しみが増えました。


(浴本先生)
わぁ、それはうれしいですね。

多くの飼い主さんが手づくりに関心を持たれるのは、
病気になった、食が細くなったなどの
健康上の心配からですが、
元気なときに食のことを試しておくのは
大切だと思いますし、
なによりおいしそうに食べてくれるものを作るのは
楽しいです。

手づくりならよく食べるとも限らない。

(タナカ)
手づくりに変えると、みんなよく食べるようになりますか?

(浴本先生)
そうとも限らないです。
病気になったり、年を取ってからは
そもそも食が細くなりがちですし、
健康でもそんなに食べないコもいます。

(タナカ)
あら、手づくり健康食の著者がそのようなことを。
宇川さんとこの猫はどうですか?

(宇川)
うちには親子の元保護猫がいるのですが、
母猫は野良猫だったせいか何でも食べます。
子のほうは小さいうちからドライフードで育てたので、
フードが好きで手づくりはあまり食べない。
フードに手づくりのお汁が染み込むと、
暗い顔でこちらを見て食べなくなる。
混ざるとダメです。
なので、時間差で手づくりの小盛りをまずあげて、
食べ終わるときにさっとフードを別盛りであげる
ようにしています。

(タナカ)
あははは。
健康なら無理に手づくりあげなくても
いいんじゃないですか?

(宇川)
だって、毛艶とかやっぱり違ってくるんですよ。

友だちに話を聞くと、手づくりのハードルは
犬より猫のほうが高いんじゃないかな。
食べないコは手づくりをまったく食べない。
すごい頑張って作ったのに、
砂をかけるしぐさをして放置する。
ドライフードに戻すと食べる。

(浴本先生)
せつないですねー。
タナカさんのところの犬はどうですか?

(タナカ)
うちの犬は、手づくりでもフードでも混ぜても、
なんでもよく食べます。
フードに手づくりをトッピングした場合は
手づくりから先に食べるので、
食べてる途中で咀嚼音が変わります。
「もしゃもしゃ」から「ガシガシガシ」に。

それから手づくりのときは、
作ってる最中からそわそわしてるし、
お皿を名残惜しげに舐めてますね。

工夫する楽しさ。

(タナカ)
犬と猫で手づくりの食いつきの違いはありますか?

(浴本先生)
傾向としてもともと犬は食欲旺盛、
猫は気まぐれなところはあるかなとは思います。
でも犬ならみんな手づくりを食べるかというと
そうでもなく、
肉しか食べない、固形のものしか食べないという
コもいます。
健康なら、まあ食べないのはしょうがないですね。
それぞれの好みである、と。

食べないときは、
同じ栄養素の食材に変えてみたり、
野菜をすりおろしてみたり、
出汁で香りをつけてみたり、
少し温めてみたりとか、
混ぜちゃうとダメなコもいるから別盛りにするとか。
手づくりだといろいろと工夫もしやすいです。

ただ猫は3日も食べないと別の病気に
なることがあるので、手づくりを食べないなら
食べるものを与えてくださいね。

(タナカ)
ああ、それは人の子どもの料理と同じですね。
言い切っていいのかな? 
同じような気がします。
あげてみないと食べるかどうかわからない。
食べなかったらどうしようかと工夫する。
工夫して食べてくれると嬉しい。

犬猫にも一頭づつ好き嫌いの個性があることに
改めて気づきました。

今日はありがとうございました。
ゴン太またねー。


今日の取り分けレシピ。
浴本先生おすすめの手づくりごはんレシピです。
人のごはんからのおすそわけや
取り分けがしやすいレシピになっていますので、
お気軽に試してみてくださいね。


「サラダからのおすそわけ」 
作るひと:タナカ

▲P59『スプーン1杯からはじめる 犬の手づくり健康食』(山と溪谷社)より

 

野菜を刻み、オリーブオイルであえて
チキンスープと共にドライフードにかけたら
できあがり。
チキンの香りがたまりません(と言ったような気がする)。

ひとはタコスサラダにして食べました。


「鶏肉と根菜の煮物」 
作るひと:宇川さん

▲P96 『スプーン1杯からはじめる 猫の手づくり健康食』(山と溪谷社)より

 

使う根菜はレンコンとサツマイモ。
サツマイモが家になかったので、代わりにサトイモを使います。
レンコンは初の食材。食べるかしら‥

鶏肉を切っていたら、猫たちが集まってきました。
手づくりを始めてから、
キッチンに立つと猫も見にくるようになりました。

鰹節を少しだけ振りかけたら、ごはんだと気づいたようです。
心配だったレンコンもしっかりゆでてみじん切りにしているので
気にせず食べています。

ひと用に取り分けた煮物には、
さっとお醤油をかけてみましたが、
調味しなくてもそのままでおいしかったです。
鶏肉は卵でとじて親子丼風のおかずにしました。


教科書は、山と渓谷社
「スプーン1杯からはじめる 犬の手づくり健康食」
「スプーン1杯からはじめる 猫の手づくり健康食」
浴本涼子獣医師 著


ちなみにこの本は、
健康な犬猫を対象としていますので、
療法食のレシピはありません。

健康な犬猫の手づくりごはんについて
もしもご質問などがありましたら、
下の「感想を送る」からお便りください。
浴本先生にお尋ねしてみようと思います。

●知っておいてほしいこと

・健康な犬猫を対象としてします。病気がある、療法食を食べている場合は、手づくりをはじめる前に獣医師に相談してください。
・健康な犬猫でも、手づくり食をはじめて不調が続くようであれば、獣医師の診察を受けてください。